地球の健康と私たちの健康

私たち人間の活動によって、この地球では様々な弊害が引き起っています。日々排出され続ける有害物質や二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスによる大気汚染は、地球温暖化の原因になっています。

また、その地球温暖化は、気候変動を生じさせ世界各地に異常気象をもたらす原因の1つに挙げられています。そして、この大気汚染、地球温暖化、異常気象は、私たちの健康にも関わる問題になっています。

 

過去には、こんな事例があります。1952年の冬、イギリスの首都ロンドンで「ロンドンスモッグ」公害事件が発生しました。ロンドンの冬の濃い霧と工場や家庭で石炭燃料を燃やして出た煙が混ざりスモッグを発生させました。

このスモッグの影響で呼吸器系の健康被害で約4000人以上が数日のうちで亡くなるという痛ましい出来事でした。こうして、1950年代から先進国での公害問題が深刻になりました。

環境破壊が進むと私たちの健康も破壊される

日本では、「熊本水俣病」、「四日市ぜんそく」、「イタイイタイ病」、「杉並病」などがあります。1956年に公式に確認された「熊本水俣病」は、熊本県水俣地域の工場が有機水銀を含む工場排水を排出し、その有機水銀が蓄積された魚介類を食べていた地元の人たちなどに重大な健康被害をもたらした公害です。

その後、1965年には、新潟県阿賀野川流域でも工場排水が原因となる「新潟水俣病」が起きました。

 

「四日市ぜんそく」は、三重県四日市市の石油コンビナートから排出された硫黄酸化物による大気汚染の影響で、近隣地区で起こった慢性気管支炎です。大規模な石油コンビナートが始まった1961年頃から症状を訴える患者が増えました。

 

「イタイイタイ病」は、富山県神通川流域の住民が原因不明の骨折などにより痛みで苦しんだ公害です。1968年に当時の厚生省が、上流の岐阜県神岡鉱山から排出されたカドミウムを含む廃液が農作物や飲料水に混ざり、その農作物や飲料水を摂取した住民の体内で蓄積され骨がもろくなったと原因を見解しました。

 

最近では、東京都杉並区の不燃ごみ中継施設から排出された化学物質が原因の健康被害「杉並病」があります。この公害は、2002年に公害等調査委員会が健康被害と施設から排出される化学物質の関係性を判定し、東京都が損害賠償を行っています。また、2011年の東日本大震災による福島原発事故による汚染も記憶に新しい出来事です。

 

大気汚染による健康被害の中で、最近、日本でよく耳にする言葉に「PM2.5」があります。これは、硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で化学反応を起こした2.5㎛(マイクロメートル)以下の非常に小さな粒子の汚染物質で、呼吸器系疾患や循環器系疾患などの健康被害があるとされています。

春から夏にかけてMP2.5の濃度があがるとして、気象庁なども注意を呼び掛けています。日本国内で発生していますが、中国のPM2.5が風や黄砂で大陸を移動して日本で観測されるとも心配されています。

 

また、最近頻発する異常気象や地球温暖化による健康被害も心配です。アフリカなどでは気温上昇や干ばつによる食糧不足で、栄養不足や飢餓に瀕している地域があります。

水不足も引き起こし、安全な水にアクセスできず、不衛生的な水を飲み慢性的な下痢などの健康被害を起こしている地域もあります。また、熱波による死亡や疫病も発生しています。日本でも夏場のヒートアイランド現象などで熱中症への注意が必要になっています。

 

そして、集中豪雨や大型台風の影響による農作物の不作も起こっています。例えば、昨年の北海道で発生した大型台風の影響で今年はポテトチップス用のジャガイモが不作となり、各メーカーで一部の商品の販売を中止しています。

このような不作が今すぐ私たちの健康に何か影響を及ぼすとは思えませんが、異常気象による不作で食糧不足が悪化した場合、深刻な問題に発展しかねません。

また、水質汚染による健康被害も忘れてはいけません。食物連鎖で蓄積された有害物質を含む魚介類を食べて人体に影響が及ぶと専門家が指摘しています。

地球も人間も健康で長生きするために

地球環境と私たち人間の生活は、切り離せない関係です。ただ、残念なことに地球環境は、私たちの活動で破壊されています。課題となる様々な環境問題が私たち自身の生活を脅かしています。

グローバル社会現代、この地球規模で発生している環境問題は、どこか特定の地域だけの問題ではなく、全く離れて一見関係ないような場所にも関連しています。なので、世界各国・各地域が共通の問題意識で対策を進めていくことが必要です。