「本、雑誌の紹介」

地球温暖化の「不都合な真実」

2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプが就任し、新政権が発足しました。

トランプ大領は、大統領選挙中からアメリカはもとより世界中からその言動・動向に注目を集めていましたが、大統領就任後も毎日のようにニュースで何かしら話題になるほど、その注目度は健在です。

過激な発言や大統領令の発令など色々なことを巻き起こしていますが、その中で、前オバマ大統領の政策批判もよく目にします。前オバマ大統領政権時代に環境保護の理由で却下されていた「キーストーンXLパイプライン」と「ダコタアクセスパイプライン」の2つのパイプライン計画を認める大統領令に署名しました。

このパイプライン計画は、環境保護団体や先住民から激しく反対されている計画です。また、トランプ大統領は、環境保護局(EPA)に対して大幅な予算削減と科学的データの取り扱い変更を計画している報道があり物議を呼びました。トランプ大統領は、地球温暖化について懐疑的です。

手遅れになる前に地球温暖化の対策を

一方、地球温暖化について非常に危惧して活動を行っている政治家がいました。その人物とは、アル・ゴア元福大統領です。

1993年、第45代アメリカ福大統領に就任し、元クリントン大統領政権の下、8年間その職務を果たしました。ゴア氏は、兼ねてから地球温暖化に強い興味を持っていて、福大統領に就任する1年前の1992に、『地球の掟-文明と環境のバランスを求めて-』を刊行し、その本はベストセラーとなりました。内容は、環境問題全般についてゴア氏の見解、人類の文明発展と環境破壊、問題提起、政治的レベル・一般人レベルでどう取り組んでいくべきかなど今後のビジョンについて執筆された少し高度な1冊です。

 

ゴア氏は、2000年の大統領選に出馬してジョージ・W・ブッシュに敗れた後、政界を退き、環境問題をテーマにした道に進みます。その中の活動の1つが、地球温暖化についてスライドを使って公演することでした。

公演を繰り返すうちに、ある映画プロデューサーから公演で使っているスライドで映画を製作しようと提案があり、その後公開されたのが『不都合な真実』です。この作品は、第79回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しました。そして、同じタイトルの本も出版されました。

地球温暖化の不都合な真実と私たちの暮らし方を変えなければいけない不都合さ

前置きが長くなりましたが、今回紹介したい本は、その『不都合な真実』です。

この作品は、地球温暖化がテーマです。過去の『地球の掟-文明と環境のバランスを求めて-』に対して、ボリュームは多いですがスライドを挿入してかなり読みやすくなっていますが、メッセージをインパクトは相変わらず強く打ち出されています。

何よりもゴア氏が訴えていることは、

  • 温暖化は、科学だけの問題ではない。政治だけの問題でもない。これは、倫理の問題なのだ。
  • 地球に対する私(ゴア氏)の熱い気持ちとその運命に対する深い懸念をみんなと分かち合うことをめざしている。
  • 私たちが大胆かつ迅速に温暖化の根本的な原因に取り組まない限り、私たちの世界は、次々と恐ろしい破局を体験することになる。

ことです。そして、本書のスライドで目の当たりにする、今まさにこの地球で起こっている地球温暖化の危険すぎる事実知った時、その受け入れがたい“不都合”な事実をただ見て見ぬふりをしたら手遅れになり、結果は悲惨なものになると警鐘しています。

また、その“不都合”な真実を受けいれたら私たちの暮らし方を変えないといけない不都合があり、だから地球温暖化は問題ないとする政治的・経済的事情について言及しています。

 

この本の特徴は、ただ地球温暖化についてその危険を誇示するだけではなく、政策として一個人としてできる地球温暖化改善に繋がる策をいくつも提案しています。また、関連する団体・機関や活動、または関連情報の詳細のURLを記載して、読者に訴えているところがすごく印象に残ります。

それだけ、ゴア氏が危機感を持っていることと、みんなで一丸となって取組みたいという気持ちが本全体から溢れて出ているようです。

 

地球温暖化について、原因、現状、課題、今後の取組みよくわかる本なので、一度手に取りゴア氏の言う“不都合な”真実に向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

なお、ゴア氏は、この『不都合な事実』や以前から行っている講演を通した環境啓蒙活動が評価され、2007年度のノーベル平和賞を受賞しました。

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