「大気汚染問題について」

毎日吸う空気とその汚染

私たち人間が世界規模で工業発展を進める一方、深刻さを増している問題の1つが大気汚染です。

大気汚染の主な原因とされるものが3つあります。工場から排出される有害物質を含む煙、自動車の排気ガス、火力発電所から排出される二酸化炭素や二酸化硫黄です。

工場から排出される煙には、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質が含まれています。これらは、私たちの体の呼吸気道や肺へ影響があるとされ、ぜんそくや気管支炎、肺気腫などの影響が挙げられています。

自動車の排気ガスには、二酸化炭素や窒素酸化物などが含まれています。二酸化炭素は地球温暖化の原因であり、窒素酸化物はスモッグの原因です。

火力発電所では、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やし電力を作り出します。化石燃料が燃えるときに、地球温暖化の原因である二酸化炭素や酸性雨の原因である二酸化硫黄を排出します。特に、石炭を燃料とする火力発電所が大気汚染の問題視されています。

 

汚れた大気に取り巻かれる地球と私たちの生活

私たち人間は、すでに大気汚染による重度の健康被害を被っています。1952年12月、イギリスのロンドンで、数日間で4000人以上の命を奪ったと言われるロンドン・スモッグが発生しました。

石炭を使う工場や各家庭の石炭の暖房によって大量に発生した二酸化硫黄と霧が混ざってスモッグが発生し大惨事をもたらしました。これを機に、世界各国で大気汚染問題について考えられるようになりました。

また、戦後の日本では、復興事業や高度経済成長による大規模工場建設が相次ぎ、その周辺では様々な公害が発生するようになりました。日本で大気汚染公害の始まりといわれる1960年代の四日市公害がその一つです。

三重県四日市市の港を埋め立て建設らせた石油化学コンビナートからは、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質を含む煙が排出され、これを吸った住人たちは、次第に重度のぜんそくの発症するようになりました。

これが、四日市ぜんそくと呼ばれる大気汚染公害でした。後に、患者たちは工場を相手に裁判を起こし勝訴します。これによって、工場は公害防止や環境問題について取り組みを強化し始めました。

また、この裁判では、工場だけでなく市、県、国への責任も指摘され、患者は、国による救済が受けられるようになりました。

他にも大気汚染問題の原因は、二酸化炭素をはじめ多くの大気汚染物質が発生する森林火災、ダイオキシンなど危険な残留性有機汚染物を発生させる化学物質の使用や廃棄物の焼却、トラックやバスで使用されるディーゼルエンジンから排出される浮遊粒子状物質なども挙げられ、大気汚染問題解決には、多くの課題が山積しています。

大気汚染のままでいいの?

これまで世界中の政府機関や企業では、この大気汚染問題を改善させるため、たくさんの取組みが行われています。

例えば、工場を保有する世界中の様々な企業は、自分たちの工場から排出される有毒物質を含んだ煙からその有毒物質を取り除く浄化装置を利用して工場外に排出される煙による汚染対策をしています。また、各国で、排出量制限や排出権取引という措置を導入し、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を規制しています。

自動車の排気ガスについては、自動車メーカーは、エンジンの燃費を向上させ排気ガス削減させる開発、車体の排気装置に触媒コンバーターを取付け有害物質の排出を削減させる取組み、二酸化炭素を排出しない燃料電池車や電気自動車のような、ガソリン燃料に代わる新しいタイプの自動車開発に取り組んでいます。

また、ヨーロッパなどの都市では、自動車に代わり公共交通機関や自転車利用の推進、公共交通システムや自転車専用レーンの整備などを進めています。さらに、都市部に流入する自動車の抑制にも乗り出しています。

そしてエネルギー分野では、火力発電に代わるクリーンで再生可能なエネルギー生産が次々と導入されています。太陽光発電、風力発電、水力発電、バイオマス発電などがそのクリーンエネルギーの代表です。

2011年3月11日の東日本大震災の原発事故放では、射能による大気汚染が発生し未だ解決できない大きな問題になり、私たち日本国民は環境にも人間にも負荷の少ない電力について考えさせられるきっかけました。

 

今日、世界規模で大気汚染の問題について様々な取組みが進められていますが、問題解決にはまだまだ程遠いのが現実です。各国、各地域、各企業、そして各人で問題意識のレベルも千差万別です。

重要な問題として改善に向け積極的に取組む人たちもいれば、利益や利便性などを優先させこの問題を脇に置いている人たちもいます。また経済的、金銭的な理由で取組みが遅れている場合もあります。

大気汚染の最大の原因は、私たち人間で、自分たちの行いで自分たちの生活環境や健康を害していると思います。それぞれ事情はあるにせよ全世界共通の資源である空気なので、みんな共通の問題意識を持って対策に取り組む必要があると思います。

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