「生物の問題」

私たちは生物と共に生きなければ生きていけない

地球が誕生して、そこに生物が生まれました。その生物は、生息する地域の環境と気候、そして食物連鎖のすべてのバランスが保たれた状態の生態系で活動しています。生物は、大気中、陸上、地下、水中とありとあらゆるところに存在しています。

これまでに約175万種類の生物が見つかっていますが、まだ発見されていない種類を合わせると、300万から1億種類以上いるのではないかと推測されています。

安定している生態系は、何かが原因となって環境条件が変わり、生態系のバランスを失い、生物の生存に危険が及ぶこともあります。

地球が誕生してからこれまでに、生物は何度も大絶滅と進化を繰り返してきたと言われています。氷河期が訪れて恐竜が絶滅したのは、その一つの例です。また、もっと身近な例だと、火山の噴火などの自然災害もその地域の環境を変化させ、それまでいた生物が住めない環境に変えることがあります。

近年、世界中で問題視されているのは、人間によって引き起こされている環境破壊についてです。人間が生態系を変えて他の生物を危険に陥れているのです。

生態系が崩れて始まりだした人間への不都合

森林伐採、乱獲、都市化、開発、水質汚染、大気汚染、地球温暖化などにより、その地域に生息する生物は、住みかを奪われたり、命を奪われたりしています。また、新しい住みかを求めて生息地を移動したり、生態系のバランスが変化して食物連鎖が崩れたりと、新たな危機が潜んでいます。

残念ながら、すでに絶滅した生物や、今まさに絶滅寸前の危機にある生物もいます。そして、生物が絶滅しているスピードが近年加速していると警鐘をならす専門家や研究者がいます。

これら生物の絶滅や絶滅の危機、または減少は、単に地球上の生物の種類が減るというだけではありません。実は、私たち人間にとってもごく身近な問題なのです。

ミツバチから考える地球の生物問題

例えば、国連食糧農業機関(FAO)の研究チームは、花粉を媒介するミツバチについて、各国での生息状況悪化が目立ち、保護対策の必要性を伝える報告書を生物多様性条約第12回締結国会議(COP12)で提出しました。

アメリカでは、2006年ごろからミツバチの群れが突然いなくなる現象が問題になっていて、ヨーロッパでは、花粉や蜜を集めるハナバチのうち、約16種類が絶滅の恐れがあるとされています。

ミツバチの減少について、報告書では、寄生虫やネオニコチノイド系の農薬の影響が指摘されています。また、チェリノブイリ原発事故による放射性物質汚染が激しい地域でも、ハナバチをはじめとする花粉媒介昆虫の数が突出して少なかったことも指摘しています。

ミツバチの減少がなぜ私たちに身近な問題なのかというと、食料不足になる可能性が指摘されているからです。花粉を媒介するミツバチの減少によって、受粉ができずに、植物や果実などが育たなくなる懸念があります。

ミツバチだけが花粉を媒介するのではなく、ハエやチョウチョなどの花粉を媒介する昆虫は、ほかにもいます。ただ、国連食糧農業機関の試算によると、世界で生産されている全作物の3分の1以上でミツバチが受粉を行っています。米や麦などは、受粉の必要はありません。

一方、受粉が必要なのは、リンゴやモモ、ブドウなどの果物や、コーヒーなどの果実、衣類に材料になる綿花などがあります。こうした作物が不作となれば、私たちは食料不足、価格高騰などの打撃を受ける可能性が予測できます。

まだミツバチの減少に関する問題は解明されていない点が色々ありますが、放っておけない問題でしょう。最近、ヨーロッパやアメリカの都市部では、住人がベランダなどでミツバチを飼育している例もあります。

 

生態系に変化が及んだり崩れたりする場合、連鎖反応にとって、思ってもいないところにその影響が及ぶことがあります。生物、自然環境、気候のバランスからなる生態系や、そこでサイクルしている食物連鎖の保全活動が世界各地で行われています。

人間だけの地球ではないし、生物がいなければ人間は生きていけません。両者が共存する生態系を保つため、地球環境について考える時でしょう。

 

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